「ブラインドスポッティング」感想メモ

個人の感想です&いろいろ間違ってるかも&ネタバレ注意



(文字の大きさが何をどうやったら変わるのかがよくわからない アンダーラインと文字の大きさには意図はないです、本当に…)


ブラインドスポッティング、結局タイトル通り他者理解の話だったな〜 最初の二分割の画面とかもわかりやすかった    

全体の雰囲気としては画面やストーリーやセリフ回しが割とキッチュでポップだなあと思った でもそうしないと大事なメッセージを聞いてもらえない(私のような人間が聞こうとしない)からですよね…ラップで話すのも…


ルビンの壺が盲点の話に繋がるというのが面白い 自分にとってトリックアートはただの科学的な資料みたいなものにすぎなかったしああいう風に他者理解の象徴みたいな意味づけをしながら見たことはなかった

直感的な盲点なのは変わらない→だからこそわれわれは他者を積極的に知ろうとしなければならない  というテーマにまで結びつくなんて


主人公は一目でわかる変えられないアイデンティティを持ってて、まじめにしてても悪いやつだと思われてしまう オープニングのシーンでもそれが分かるけどその後の1時間くらいでそれが懇切丁寧にエピソードで説明されるから最後の日の乱闘後のあのパトカーが近づいてくるシーンがハラハラさせるものになる(観客は主人公や現実に生きる罪のない黒人が警察に狙われる恐怖を追体験したような気持ちになれる)


やっと拘束期間解けたのに銃を向けるのか?!って思っちゃったけど、彼女との電話での俺っていつも喧嘩してるように見える?(最後まで応答ないのつらい)のシーン→拘束期間が終わったけど墓場から同胞がこちらを睨んでいるシーン→ショーンが撃たないで!っていうシーン 今自分が何かしなきゃ将来の子供も危ないんだということがわかる→警官に出会うシーン だからここで銃を向けるのは筋が通ってる (銃を向けられる側にならないとわからない)


他者理解だけではなくこの映画のトピックは白人警官による罪のない黒人を銃撃する事件であって、2018年の時点でこのような(山場で撃たれる側である罪のない黒人に撃つ側である白人警官へのフラストレーションを吐き出させ白人警官に理解させる)映画が作られ支持されてるということは国内でそれだけ世論というかそういうシーンをみんなが見たいと思う欲求が高まっていたということで…それがこの映画で一番の学びだったかも しかしそんなに前から問題になってたのにblmくらいまで強く認識していなかったというのはまさに盲点なわけで…盲点を知らしめられました(浅い)


拘束期間明けにジョギングしてたら墓場に過去の犠牲者がオーバーラップして座り込んでしまうシーンが視覚的に印象的でよかった 自分だけが自由であっても過去の同胞に顔向けができないって気持ちはなんとなく自分も分かるなあと思うところでもあった ああいうリアルにオーバーラップさせる演出って割と流行りなのかも? 社会問題=知らしめ効果=インパクト だし

これを大画面で見たらかなり心が動かされるだろうなあと思った  ランキング上位にしてる人が多いのも分かるなあ


白人の友達は排外主義感情と暴力の問題を抱えている わかりやすいアイデンティティがなく(口が達者で友達思いで少なからず良い面もあるのだが)悪いことがアイデンティティになってしまっている きちんと家庭を築きたい気持ちが見えるから尚更つらい そして口論のシーンで熱い友情があっても互いに分かり合えないものがあることが分かる

"ニガー"って言葉はああいう概念になっているんだなという学び 人種ではなく単純に悪いやつを指す言葉になっている(言われて嬉しい言葉ではないが親しみのために使うこともある…難しいね)

しかし主人公もパトカーに怯える割に手が出る部分もあったしそこそこ悪だな…?とは思った でもそこがあれだよな 俺は壺で顔だ両方を見ろってことだよな… (そして撃たれるようなことをしてるわけじゃないし罪の分以上の罰はただの加害) 引き金は初めての感覚 そこまで悪なわけじゃない 銃はダメだ という 


大きなテーマ自体は黒人・白人とされる人々の違い&それを理解することの話であるのは大前提なんだけど、その二項対立の先を行くような、超えることを目的としてこういう作品は作られてるんだろうなと思った


ちょっと演出的には仕方がないのだけどなんとなく主人公の視野が狭いな…?と思わざるを得なかった 主人公周りだけで世界が動いてるしそこだけの刺激で主人公の感情と行動が動かされる…けど拘束されてるからそうならざるを得ないのかも それに社会問題ではなくそれくらい身近な問題なのだということが言いたいんだろうな


そしてさっきのアイデンティティのことで言えば、ブレイズは身体的でもあり文化的でもあるアイデンティティとしてわかりやすい例なのかなと思った この時代ブレイズを解いてアイロンで真っ直ぐにすることもできるがそうすると"ダサい"と思ってしまう人もいる  という  髪型というものは割とアイデンティティと直結しているものなのかもしれない


最後に青汁意外とうまいやん!でオチがつくのはさっぱりしててハッピーな終わり方でよかった なんかもうひと展開キツいのが来るかと不安になってたので 青汁飲もうかな🌱


忠誠心というのは不安定で捉えづらい…愛国心とか共同体への感情とかのことかも…

それで最後BLINDSPOTTING ってタイトルが出るんだよな ハッピーな雰囲気とは裏腹にまだ私たちの知らない盲点があるのかも…と思わせる?思ってしまう?ような終わらせ方だった